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自分の理不尽を他人に受け入れられた話

会社までの道のりに、キンモクセイサザンカが交互にみっちりと並んでいる生垣がある。同じように刈り込まれているので、同じ種類の木なのかと思って通り過ぎそうになる。キンモクセイが咲いて秋の訪れを告げた後、サザンカが咲いて冬の訪れを告げる。あまり見ない生垣の作り方だと思う。春と夏は全くなんということのないただの生垣なのだが、秋になるといきなりにぎやかになるところが面白い。この生垣を見るたびに、これを植えた職人さんは、きっとそのことを考えて植えたんだろうなあと思う。私はそれをとても楽しみにしていて、その職人さんの顔とか知らないけど、本当に尊敬している。いい仕事ですね!私も、そんないい仕事がしたい。名もなきいい仕事をする技術者になりたい。

 

精神的に疲れていたせいか、週末ほんとにどうでもいいことで腹が立って、焦った。彼からメッセージが半日以上帰ってこず、理由が「ルームメイトと映画を見ていた」からであった。そして土曜日になって「仕事があるから今週末は忙しい、でも月曜に仲間と映画を見に行く、そのあと夕食はどうか」と言い出す。前のエントリで、今週は彼と過ごさないのもありかも、とか考えていた。

 

ちゃんとできない自分に凹む - いんとろばーとの頭の中

 でも、なんとなくぐずぐずしていて、「彼が会いたいって言ってきたら、どうしようかなあ」なんて考えていた。そもそも会う約束すらしておらず、会わないでおこうかなあと考えていたので、別に彼の申し出について何か怒る立場にもなく、普通ならあっそう、と思うのだが、どうにもこうにも怒りが収まらなかった。怒っている自分のことがさっぱりわからなかった。で、よくよく考えてみると、いつもの「私のことをないがしろにするな!」なのであった。そもそも会いたいなら会いたいと自分から話をすればいいのに、それもせず、週末の予定も聞かなかった私が悪いのに。とほほ。

私の考えはとても理不尽であるが、思ってしまったものはしょうがない、私はそれを彼に伝えることにした。「君から週末に連絡がないと、不安に感じる。君は忙しいって言っているのに、2回も映画には時間を取るんだね。なんか大切にされていないように感じる」と、我ながらわけのわからない女々しいメッセージを送ってしまった。だって、つまり「映画と私どっちが大事なのよ!」ということである。大丈夫か、私。その後彼から、今一度状況を共有するメッセージが届き、いつものように「気持ちを教えてくれてありがとう」と言われ、最終的に月曜の夜遅くに会うことにして、一件落着となった。

 

彼とご飯を食べながら、なんか昨日はわけわかんないこと言ってごめんよ。ああいう私をどう思う?気にしない?と聞いたら、いや、気にする。とはっきり言われた。

そりゃ彼女がしんどくなっているのは気にする。でも、しんどくなっているのも言われなきゃわかんない。何をどうしたらいいのかも、言われなきゃわかんない。今回のことは、僕があらかじめ決まっていた週末の予定を君に一切知らせなかったから。ごめんよ。次から、知らせるようにするよ。

と、逆に謝られてしまった。普段なら、そんな風には思わないんだけど、なぜか昨日はそういう風に思っちゃって、と言うと、

それはお互いに特別だからでしょ。ほかの人と違うから、そういう風に思うんだから、僕はそれを幸せに思ってるよ。問題ないよ。

と言っていた。はあ、もったいないくらいよくできた人だ、と思った。ないがしろにされているとか疑ってごめんよ、と心の中で平謝りした。私もしんどかったけれど、話ができて受け取ってもらえてとてもよかった。良いこともやなこともなんでも話をしよう、と思った。

おしまい