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プロゲーマーつながり

昨日、朝起きたら仕事に行きたくなかったので、仕事を休んだ。一日家で3月のライオンを1巻からずっと読んでいた。この間10巻を買った。出張が終わった後の福島駅で。新幹線に乗ったら、隣の隣の席の人も同じ本を読んでいた。10巻を読んだら、1巻ってどんなんだったっけ、と思ってはじめっから読み始めた。なんだかとっても疲れて、しょぼくれていた私にはとても優しいマンガだった。

彼はオタクなのだが、一番ハマっているのはゲームだ。私はマンガは好きだが、ゲームには全く興味がない。で、彼が熱狂しているのはプロゲーマーの試合を見ることだ。自分でもゲームはするが、プロゲーマー達の試合をいつも気にしていて、この間は「試合を見たいです」と申告するので、特に興味はなかったが一緒に家で見た。なんか武器で人をどんどん殺すゲームで、血がぶしゃーとかなるのであんまりほんとにどうでもいいなと思った。

聞くと、そのネット中継は世界で21万人以上の人が見ていて、トップの賞金は1000万位あるらしい。5人ひと組で戦う。その5人のうしろに、一人何かうろうろしている人がいるので、この人だれ?と聞いたら、コーチだよと答えるので、うへー、テレビゲームしてるだけでこんなコーチまで養えるくらい稼げるのかすごいなあ、と思った。そのチームのモニターEIZOというロゴが入っていて、聞き覚えのある感じの社名だったので、google先生に聞いたら、やっぱり日本の会社だった。彼のチームのスポンサーだそうだ。そうか、そういうところから定期的な収入を得ているのね。そして、EIZOって、石川の大企業なのね、東証一部上場の、ディスプレイばっかり作ってる会社なのね、とひとつ賢くなったところで、すっかり飽きて、ゲームの音だけ聞きながら私は買ったばかりの3月のライオンを読み始めた。

彼のチームはぎりぎりのところで負けたり買ったりしながら、接戦を繰り広げていて、彼はいちいちドキドキしていた。21万人アクセスしているので、回線が混雑していて、たまに映像が切れる。彼は温厚で今まで一度も私に対してイライラしているところを見せたことがないが、インターネットの回線が遅いことにはめっぽう弱く、すぐイライラする。さすが、インターネット世代。若い。人のゲームを見るだけでこんなに一喜一憂するなんて面白いもんだなあ、と思った。ちなみにそのゲームが一番盛り上がっているのはスウェーデンだそうだ。やはり冬が長いところの人たちは、ゲームが一番の娯楽になるのだろうか。

ゲームがブレークになって、ちょっと頭の冷えた彼は、それは何の話?と私のマンガを指差して聞いてきた。えーっとね、将棋って知ってる?日本の古いボードゲームだよ、それのプロの話…そう、プロゲーマー…(!!)と説明しながら、零くんもプロゲーマーだったんかい、と驚いた。日本にはかなり昔からゲームのプロと言う人たちがいて、きちんとした社会的地位を築いてきたわけだ。発売された10巻で、零くんの年収が明らかになった。断然私より稼いでいる。しかも将棋1つだけじゃない。囲碁もある。今も、その2大ボードゲームを楽しむ人は一定数いて、テレビ中継されるし、たまにマンガになったりする。日本は根っからゲームの国だったんだな。

いやあ、プロゲーマーつながりだったとは。私と彼は。そんなことを考えながら、3月のライオンを読み終わり、分厚いビジネス書を読み始めた。WORK SHIFTという本だ。掛け布団をかけて読んでいたら、すっかり眠くなって、私はそのままくうくう寝てしまったらしい。遠くで、彼が寝付いた私のために、電気を消す音を聞いた。

 

おしまい