生物の清水先生

学校にいた頃、変な先生が多いのは理科だったと思う。あとは体育。私は体育の先生という人達があまり得意ではなかったため、あまり思い出はないが、理科の先生には恩師と呼べる先生がいる。生物の清水先生である。

私は高校2、3年生の時、生物選択であった。理系にいながら理系科目が苦手だったのだが、唯一生物は大好きだった。生き物の仕組みを一つ一つ知っていくのは、私にとって快感であった。そしてその楽しみを教えてくれたのは清水先生だった。先生の授業は雑学小ネタの宝庫で、いつも面白い情報を知ることができた。先生は絵が上手くて、いつも黒板に綺麗かつシンプルな絵を描いて説明してくれた。

3年の時は授業を受ける時間の関係で、先生のクラスは私ともう一人の友達と、清水先生の3人だった。かなりコアな授業を先生は私たち2人のために丁寧にしてくれた。理系コースということで、毎日1コマ以上理科の授業があった。ある時は朝の授業で、先生がとってきてくれたウニで受精にチャレンジし、夕方の授業で細胞分裂の様子を確認した。朝の補習(出席必須)では先生が遅刻してくることもしばしばで、生物準備室に体操座りして仲間と二人で先生を待った。生命の進化の単元では、先生の指示により生命の進化のマンガを購読し、恐竜の模型を作った。DNAの授業では好きなアミノ酸の模型をつくった。

そんな感じで、教科書の薄い生物Ⅲは夏休みを前にさっさと終了し、そのあとは延々センター対策だった。せっせと問題集を解き、わからないところは質問し、そしたら先生が得意の板書をして解説してくれる。確か二人でテストも受けたけど、テスト時間をほんの少し短くして、テスト時間内に先生がその場で丸つけしてくれた。2人のために作ってくれるテスト問題は特別だった。夏休みの補習は授業中に先生と内緒内緒と言いながらアイスを食べた。とにかく居心地がよく、先生のことが大好きだった。優しく笑う白髪の先生だった。

私は得意科目で稼がねば!とセンター試験で気合十分、満点近く取るつもりだったが、得意のはずの遺伝の問題がえらいことひねった問題で動揺し、遠く満点には届かなかった。生物は得点は取りやすいけど、満点レベルの高得点は狙いにくいように問題ができているんだよ、これで上出来だよ、と静かに先生は言った。結果なんとか希望の大学にすべりこんだ。

未だに、実家に帰ると楽しくてたまらなかった先生の授業の授業ノートを見る。学ぶこと、新しいことを知る楽しみを、先生に習ったような気がしている。先生元気かな。


おしまい

今週のお題「思い出の先生」