読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

トラウマを乗り越えるための6つのステップ ステップ5

シリーズ5本目、自分の足かせになっている価値観を手放す話。

  1. 自分にトラウマがあると認識する
  2. 安心安全を確保する
  3. トラウマの影響を認識する
  4. 感情をすべて受け入れ肯定する
  5. 自分の足かせになっている価値観を手放す
  6. 新しい価値観を許可し、その価値観に従って行動する
自分の価値観を認識する

人の行動は、素質×価値観で決まっていると思う。私の素質としては内向的で刺激に弱く、体力はなくはないが、日々刺激にがっつり削られている。もともと体力がすぐなくなりがちになるのにもかかわらず、以下のような価値観(正しさ)で自分を責め続けていた。

戦って勝たなければならない

正しくなければならない(礼節を重んじるべき)

相手は私のしていることと同等のことを返すべき

頑張らなければいけない

人からなにかしてもらうためには自分から動かなければならない

白黒つけなければならない、完璧でなければならない

この価値観は、育っていく過程のどこかで作られたもので、その当時の自分には重要で自分を守るものだったのだろうが、今の自分には必要のないものである。必要ないものはさっさと手放して、今の自分に関係するものに書き換えた方がいい。自分の信じてきた価値観(正しさ)がいつまでも自分を守ってくれるわけではないのだ。まずは、自分の中にある価値観を見つめていくことが大切なステップになるだろう。 では、どうやって自分の価値観を発見するのか。 

怒りなど、感情の動いたときにフォーカスする

 以前、生活の中で、私はよく腹を立てていた。コンビニのレジで、初めて来た町で、彼氏の人に、母親に、父親に、仲間に、課長に、同僚に、後輩に、目の周りのものすべてに、いちいち腹を立てていた。ある日、私は、今何で怒ってるの?と自分に問いかけた。

「スーパーの人が商品の場所を全く把握してないなくて待たされるから」

もう一度問いかけた。なぜ、待たされるのが嫌なの?

「だって、お客さんをないがしろにしているから。それはだめなことだから」

もう一度、問いかけた。なぜお客さんないがしろにしてはいけないの?

「私をないがしろにするな!」

私がないがしろにされると、どうなるの?

「自分が価値のない人間みたいに思えて、苦しい」

私はこの問いかけで、自分には価値がないかもしれない、と恐れている自分に気づいた。 自分でも、自分がそんな風に考えていることは見て見ぬふりをしていたので、結構驚いたし、へこんだ。

前の章でも、自分の感情を肯定することを書いたが、ここでも基本的にやっていることは同じだが、意識的に自分が抱えている価値観を見て、今の自分にとってそれがいるのかいらないのかを考える点でステップが進んでいると思う。感情が強く反応するところに自分の価値観を探る芽があると思う。

手放すかどうか考えて、手放す

 自分の価値観を意識したら、それを手放したほうが今の自分にとっていいのか、を考える。自分が反応してしまうポイントには、必ずと言っていいほど自分の過去の何かが絡んでいる。

私がこのステップで手放したもっとも大きなことは「虐待されていた私」という価値観であった。何をするにも自分の言い訳に使っていた、虐待されていた私、アダルトチルドレンである私、は私のアイデンティティでもあった。なので、もういらない、と手放した後は、落ち着かなかった。何かあっても、それは虐待されていたから、という言い訳がきかなくなる。

前のステップで、私は「自分のすべてをトラウマのせいにせよ」と書いたが、このステップでは、自分のすべてを自分の責任に取り戻すのである。今まで自分ではどうしようもなかったから構築されてしまった自分の価値観を手放して、自分の人生を自分でコントロールしていく覚悟を決めるのである。

自分で自分の人生をコントロールする、自分で決めることができる、というのを気づくのは、大きな自信になる。

手放すとはどういうことか

手放す、とは、つまり、「しなくなる」こと、もっと言うと、今までしていたことと反対のことをするようになる、ともいえるかもしれない。価値観そのものを手放す、というのはあまりに抽象的なことだが、価値観から生まれる行動をしない、もしくは正反対のことをしていくことで、最終的に価値観を手放すことができるように思う。このことについては次の記事で書くことにしよう。

 

おしまい