頭がうぁーんってなる

出張に行く飛行機の中で映画を見た。歌手のmiwaちゃんと坂口健太郎くんの青春ラブストーリー。ほとんど筋を知らないまま見てたけど、ちょっとじんとしてしまった。時間が巻き戻りなんども同じ時間に行くことができて、女のコは死ぬ運命で、男の子はそれを阻止しようと何度も何度も時間を巻き戻す。それに女の子が気付いて…。ベタといえばベタな設定に、泣かせるぞ!という魂胆見え見えの筋だけど、自分だったら、と思ったらなんだかぼーっとしてしまった。そういうありえないこと、入れ替わりとかね、時間が戻るとか、そういう物語を見ると、頭がうぁーんってなる。インターステラーとか、君の名はもだし、悲しいというか、どうしよう!と思う。

夫はどうするだろう、私はどうするだろう。死ぬとき私はどう思うのだろう。夫はどう思うのだろう。私は夫が死んだらどうするだろう、どう思うだろう。答えは勿論わからないけど、そのとき気がすむまでいっぱい泣けるといいな、泣いてもらえるといいな、と思ったら、胸がいっぱいになった。

 

仏像をスキャンしてみたら、なんと中にミイラが入ってたというニュースを見た。ミイラ入りの仏像を作った人の気持ちを考えようとしてみた。ミイラになって、仏像になった人の気持ちを考えてみた。また頭がうぁーんとした。ずっと前に、この人を愛した人がいたのかもしれないし、亡くなった時にいっぱい泣いたのかもしれないな、と思った。ミイラ入りの仏像を見て、どんな気持ちになったんだろう。癒されたかなあ、癒されたといいなあ。

 

今日、出張先の道端に、おもむろに掌サイズのカニが落ちていた。当然死んでいて、甲羅もバリバリに割れていた。赤くなっていたから、料理した後に捨てられたのかもしれない。ものを運んでいる時に落ちたのかも。でも死んだのに食べられることもなく、出汁にすらなれず(多分)、無念、と思った。このカニはどこから来たのだろう。南の方かな。カニに家族はいたかな。カニを取った人はどんな人だろう。このカニを売っていくらもらったのだろう。カニを取った人の家族はどんな人だろう。その家族はどんな家に住んでいるのだろう。考えた。わからなかったけど、その人は必ず今まさに生きている。私の頭はまたうぁーんとした。直接会うことは決してないけど、私はおもむろに道端に落ちていたカニを通して、その人に会った。その人が今日笑っているといいなと思った。

おしまい